人と対面すると、緊張する。人前に立つと発汗や赤面が止まらない。多少であれば、誰しもが体験したことがあることかもしれません。
ですが、対人恐怖症、というところまでいくと、日常生活や仕事に支障が出るレベルでそれらの症状が出る傾向にあります。
今回は、そんな対人恐怖症の、「なった人にしかわからないつらさ」についてご紹介していきます。
他の人にはわからない?対人恐怖症のつらさ
多量に発汗する
対人恐怖症の人が、人と会ったり、人前に立ったりするとき、多量の発汗を伴うことがあります。
手汗や脇汗にとどまらず、普通であれば汗をかきにくい、二の腕や脚などからも発汗をすることもしばしばです。
夏だろうと冬だろうと関係なく、体がカーッと熱くなったり、逆に冷たくなったりして、じっとりとした嫌な汗を大量にかき、手に持った書類はびしょびしょ…ということも少なくありません。
またそうした多量の発汗により、水分が失われ、強烈に喉が渇いたり、唇がカサカサになったりするのもまたつらいところです。
筆者の場合、二の腕や太ももなどから発汗をし、そこが冷房などによって冷えることによって、夏でも体を冷やしてしまってお腹を壊すこともしばしばで、非常につらいです。
人混みで気を失いそうになる
人がいる場では緊張のあまり、貧血などを起こし、失神することもあります。
満員電車や混んだバス車内などに長時間いると、十分に水分や栄養、睡眠を摂っていたとしても、頭からサーッと血の気が引き、得体のしれない恐怖に襲われ、失神しそうになります。
胃がキリキリ痛んだり、原因不明の下痢をしたりすることもしばしばです。
昏倒したり、下痢をしたり、というのは非常に恥ずかしい思いをするため、対人恐怖に拍車をかけます。
単に人混みが苦手、という状態を通り越して、また以前と同じ状況に陥るのではないかという新たな恐怖が生まれ、恐怖のスパイラルに陥ってしまうのです。
恐怖のあまり思考が停止する
恐怖のあまり、自己防衛反応が働いて頭がボーッとしてしまうこともままある症状です。筆者の経験上、失神する前などはこの状態に陥ることが多いように思います。
情報をなるべく脳からシャットアウトするために、目がぼんやりとしてしまったり、耳が聞こえづらくなったり、思考がぼんやりしてしまったりします。
そうすることで、人と接していなければいけない、というストレス状況から自分を守っているのです。
注意が散漫になったり、歩いていて物や人にぶつかったりするのも、頭がよく働いていない時によく起こります。
自分を守るために、他者を自分の中からシャットアウトしてしまうのです。
心の準備と対処療法で対人恐怖を和らげる
対人恐怖が起きるときは大体、心の準備が整っていない時に起きます。
心の準備が整っていても起こるものは起こってしまうのですが、抑えられる程度の対人恐怖…例えば久しぶりに友達と会う、ですとか、しばらく会っていなかった家族に会う、ですとか、そういう時には、会う前に30分ほど先に待ち合わせ場所に着いておいて、気持ちを整える時間を設けると、対人恐怖を和らげることができます。
また、ノイズキャンセリング機能のあるヘッドホンやイヤホンで音楽を聴くのもおすすめです。
音楽の他にも、自分が普段家で心を落ち着けるために触れているものを持ち歩くなどすると、対人恐怖を和らげることができますので試してみてください。