あがる感情は誰にでもあるものですが、不安や緊張した時にその症状が出やすい人のことを「あがり症」といいます。
誰にでもある感情がゆえ「気にしすぎ」「慣れるべき」と思われがちですが、実際はどうなのでしょうか?
あがり症はただの性格?違う角度から迫ってみた!

「プレゼンで緊張のあまり、どもって大汗をかいてしまった…」こういったエピソードってよく聞きますよね。
そして両パターンの感想がでることでしょう。
1.どうなるか不安で焦ったけど、最後はなんとかなった。
2.周囲から仕事ができないダメな人と思われた。もう会社に行けない。
1の感情で完結できたらいいのですが、2の感情にとらわれてしまうと負のループから抜け出すことが難しくなってきます。
それが「あがり症」から社会不安障害という病気になるきっかけになりえることがあるのです。
そうするとあがり症の症状に加え、緊張感が増し、予期不安、回避行動などエスカレートしていきます。
さらに学校や会社へ行けない、人とコミュニケーションがとれない、など日常生活に支障が出てくることが多くなるのです。
社会不安障害には、以下のようなものがあり「あがり症」に似た「引っ込み思案」「内向的」など、ありがちな性格ともとれる症状が、ひどく悪化した状態だと思われます。
・赤面恐怖症
・発汗恐怖症
・対人恐怖症
・場面恐怖症
など。
この状態を我慢し続け頑張っていくうちに、身体の状態、不安の高まり、それらに対する恐怖感が強まっていきます。
【ドロップアウト】社会不安障害の人は社会復帰できる?そのプロセスとは?
日常生活に支障が出るようになってくると、早めに精神科やメンタルクリニックなどの専門医に受診をする必要があります。
敷居が高く感じる人がいるかもしれませんが、放っておくとうつ病や、パニック障害などさらに悪化する可能性があるからです。
不安のある人は、家族の方などに付き添ってもらうといいでしょう。
「内科や歯科と変わらない」という意識を持つと気が楽になるかと思います。
病院では薬物療法やカウンセリング、行動療法などを行い自分の苦手な行動パターンや考え方を変えるサポートを行います。
(各病院で治療方針は違うかもしれません)
行動療法とは、泳げない人が少しずつ泳ぐ練習をするイメージだとわかりやすいでしょう。
水につかるのが怖い人は水に慣れるだけでもいいですし、クロールが苦手なら、平泳ぎを練習したらいいのです。
遠泳の楽しさ、タイムを計る楽しさ…様々トライしてみるといいのです。
そういった行動療法と薬物療法と合わせながら、治療をすることで自信や多様な考え方、とらわれてきた苦しみを開放する手立てが見つかっていくのです。
【社会不安障害】自覚できたら先が見えた!これからの暮らし方は?
まず、「これまで悩み苦しんできたことが、性格や気質でなかった」ということに気づいたことで未来は見えています。
自分が苦手な分野を知ることができ、対応する手段を得たからです。
「通院したしこれで大丈夫!」と自信をもっていたとしても、これまでと同じような生活をすることは避けたいものです。
肩をこわしたピッチャーと同じような感じですね。
・人と同じように上手に話さなくていい
・汗なんかみんなかくじゃないか
・顔が赤いなんて誰も見てないよ
・だれでも緊張したら手が震えるよ
・誰とでも仲良くなれないのは当たり前
すぐにこう思うのは難しいと思いますが、あなたが社会不安障害とつきあっていく生き方が大切です。
時には怖くなるのも仕方ありません。
調子の悪い時は「今は、今日は、こういう日だ」と考えられるようになれたらいいですね。